昔のように怖がる必要はない中国産食品

輸入食品はどこまで安全なのか(前篇)

2014.05.16(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 ニュースで一時期頻繁に報じられていたことは、しばらくすると下火になる。すると、報じられていたときの印象が、そのまま人びとの中に先入観として残されることがある。

 「輸入食品」についてはどうだろうか。

 ここ数年で輸入食品をめぐり最も問題化した事件が、2007年末から翌年にかけての「中国産冷凍ギョウザ事件」だった。中国から輸入された冷凍ギョウザを食べた千葉県と兵庫県の計10人が中毒症状を訴えた。ギョーザからは殺虫剤メタミドホスが検出され、中国のギョウザ製造工場の工員が逮捕された。

 ニュースを機に「中国から輸入食品は危ない」との思いを強くした人もいるだろう。さらには、「やはり輸入食品は危ない」という先入観を持つようになった人もいるかもしれない。

 事件から6年以上が経った。ニュースで植え付けられた「輸入食品は危ない」という人々の心象と現在の輸入食品の状況に乖離はないだろうか。また今後、日本人が輸入食品に接する機会がさらに増えるかもしれない。環太平洋経済連携協定(TPP)による食品輸入量増加が予想されるからだ。食の安全性がさらに脅かされるのではという不安はないだろうか。

 「輸入食品が危ないかどうか」を、改めて考えてみてもよいのではないか。

 そこで今回は輸入食品の現状を知るべく、公益社団法人の日本輸入食品安全推進協会を訪ねた。同協会は輸入、生産、流通、販売に携わる企業による協議会として発足し、1992年には社団法人になった。さらに2011年には公益社団法人に認定された。輸入食品の安全性確保のため、自主管理体制の確立推進、人材育成、情報収集・提供などに力を入れている。

 前後篇のうち前篇では、輸入食品の現状、つまり内訳や違反状況、また現状の制度などを同協会常務理事の鮫島太氏に解説してもらう。後篇では、日本がTPP協議で妥結した場合、輸入食品への安全性はどうなるのかという見通しを、鮫島氏と同協会元常務理事の佐藤勝也氏に聞いてみる。

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