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先週の土曜日8日は、スウェーデンの国民的行事「メロディフェスティバル」、欧州ユーロビジョン・ソングコンテストへの出場を懸けた最終予選が行われた。
各地での予選を経て勝ち残ってきた10アーティストが楽曲を披露した後、視聴者の投票と、スウェーデン以外の欧州国の審査員による審査によって優勝者が決定する。
投票が集計され結果発表を待つ間に、スウェーデンが生んだ世紀のポップグループ「ABBA（アバ）」のスタンダードナンバーが若手の歌手らによって次々と歌われ、観客と視聴者はしばし1970年代の雰囲気に浸った。
ABBAの大ファンだったプーチン大統領
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がビートルズのファンだということはよく知られているが、アバの大ファンでもある――と報じられた数年前のニュースを、テレビを見ながらふと思い出した。
アバのコピーバンド「ビヨルン・アゲイン」のマネージャー氏によると、バンドは2009年1月、タキシード姿のプーチン氏（当時は首相）の前で「秘密のコンサート」を行い、出演料として2万ポンド（約270万円）を受け取った。バルダイ湖の近くに用意された会場には厳重な警備が敷かれ、プーチン氏の他に7人ほどの男性と、首相夫人と見られる女性1人がいたという。
同氏は、プーチン氏は「曲に合わせて踊っており、夢中になっていた。何曲目かには『ブラボー』と叫んでいた」と語っている。前年のクリスマスの前に電話がかかってきて、「クレムリン・・・ロシア・・・モスクワ・・・あなたのバンドに来ていただきたいのです」と言われたのだという。
米国で2008年大統領選挙に出馬し、現大統領のバラク・オバマ氏と争った、タカ派の介入主義者として知られるジョン・マケイン上院議員も、この少し前にアバのファンであったことを認めている。英国のエリザベス女王も、アバのレコードをたくさん所有していると報じられたことがある。
アバが屈託ないポップソングを次々とヒットさせていた当時の世界は、冷戦下ではあったが、デタント（緊張緩和）により、米ロが「平和共存」する、とりあえず平穏な時代だったと思う。
2014年の今日、世界は前例のない緊張感の只中にある。
ウクライナ情勢を巡り、核を保持する軍事超大国米国とロシアの対立が深刻化している。「新冷戦」「第3次世界大戦か」という報道機関の見出しも散見する。
