1月22日に、燃料電池開発情報センター主催の第130回研究会に出席し、講演を行った。燃料電池開発情報センターは、1986年に通産省(当時)の提案により設立された、燃料電池に関する情報発信をミッションとする団体である。燃料電池の開発がずいぶん昔から行われていたことに、驚かされる。
講演会のプログラムは以下の通りである。
1.「水素社会に向けた取り組み 『最近のトピックスより』」
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
主任研究員 大平英二
2.「FCVを取り巻く最新の規格状況 『FCV関連国際標準化動向』」
一般財団法人 日本自動車研究所 主任研究員 富岡秀徳
3.「日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ」
微細加工研究所 所長 湯之上隆
引き続いて、立食式の懇親会
燃料電池の研究会で、なぜ湯之上が講演するのかと思われるかもしれない(講演依頼があったとき私も場違いと思った)。主催者によれば、燃料電池について日本は国際的に高い技術を有しているが、本格普及期にビジネスで勝利できるかどうかは分からない。半導体やテレビの二の舞いになる可能性もある。そこで、過去の敗北に学ぼうということから私にお声がかかったようである。
講演会には100人を超える参加者があったが、その中で私が最も燃料電池を知らない「ド素人」なのは間違いない。素人だから基本的なことが分からない。そこで、私の前に行われた2つの発表では、あまり質問が出ないことをいいことに、素人質問を連発した。しかしその1つがどうやら燃料電池関係者の急所を突いたらしい。