2011年度に3社合計で1兆6000億円の赤字

 日本を代表する家電メーカーであるソニー、パナソニック、シャープは、2011年度に3社合計で約1兆6000億円の赤字を計上し、世間の耳目を集めた。

 3社の純利益の推移を見てみると、2008年のリーマン・ショック以降、惨憺たる有様であることが分かる。しかしよく見ると、3社の挙動は微妙に異なる(図1)。

図1 ソニー、パナソニック、シャープの純利益の推移 (出所:ソニー、パナソニック、シャープのアニュアルレポートを基に筆者作成)

 ソニーは2008年度以降4年連続赤字で、特に2011年度の赤字額は大きかった(約4500億円)が、2012年度に黒字回復している。

 パナソニックは、2010年度に一旦黒字回復するも、2011年度と2012年度続けて7500億円を超える大規模な赤字を計上している。2013年度にはわずかながら黒字回復する模様である。

 シャープもパナソニック同様に2010年度に黒字化したが(2009年度も若干の黒字)、2011年度に3700億円、2012年度に5400億円の赤字である。2013年度に黒字になるかどうかはまだ分からない。

 このように3社は、リーマン・ショック後の黒字回復の速度が異なる。その原因はどこにあるのか? またこの3社は今後、何で、どこで、食っていくのか?