しばらく見ないうちに、それは目覚ましい発展を遂げていた。それ、とは『PARIS PHOTO(パリフォト)』のこと。毎年11月のパリの恒例行事となった写真サロンである。
2009年と2010年の模様は過去にこのコラムで紹介し、日本人写真家の作品が注目を集めている様子、写真市場の将来的期待などをお伝えしたが、それから3年後の拡大ぶりは目にも鮮やかだった。
年々規模が拡大、11月の写真月間を華やかに彩る『パリフォト』
以前は、ルーブル美術館の下の見本市会場、カルーゼル・デュ・ルーブルで開かれていたが、現在はパリ万博(1900年)の際に創建されたガラス張りの歴史的建造物、グラン・パレが舞台。2011年からのことだ。
規模にすると、7100平方メートルから1万3500平方メートル、ほぼ2倍の大きさになったと同時に、会期中は凱旋門からグラン・パレまでのシャンゼリゼ大通りの両側にずらりと、『パリフォト』のロゴののぼりがはためくという具合に、11月のパリ写真月間のメーンイベントを象徴している。
17回目となる今年は、14~17日の4日間。世界24カ国から136の写真ギャラリーと28の写真出版社が集結した。
入場料は28ユーロ(おそよ3800円)だが、4日間で5万5239人の来場者。これは昨年を約1000人上回る数字で、その数は年々増加しているという。
規模の拡大はそれだけですでに影響力の強さを物語っているが、イベントの意義の高まりは、参加ギャラリーのコメントから読み取れる。以下は会期直後に発行された報告書の抜粋。いずれも手放しの満足ぶりだ。
「『パリフォト』に参加できるのは、いつもたいへん光栄なこと。売り上げもすこぶる良く、来場するコレクターのクオリティが素晴らしい」(Howard Greenberg/ニューヨーク)
「今年が初参加だったが、最高に満足している。なにより来場者のクオリティは驚くべきもの。真の愛好家たちだと感じる」(Cheim&Read/ニューヨーク)