米国は大学の学費が高いことで有名だ。おおまかな目安の数字として、4年制の州立大学の1年間の学費は、州の住民はおよそ100万円、他の州からの生徒はおよそ200万円かかり、私立大学になるとおよそ年間300万円かかる。これは学費のみで、この他に高騰し続ける生活費が加算される。

 ただし、学費が高い代わりに様々な奨学金制度があり、学生ローンも発達している。そのため、多くの若者が大学に進学できるのである。

 以上の事実を踏まえて、今月発表されたある数字を見てほしい。

 全米の3分の2の州で、保育園・幼稚園の年間費用が州立大学の学費を上回ったという調査結果が出たのである(Child Care Aware of America)。

保育園の年間費用が164万円かかる州も

 米国人が、親になって一番驚くことは、子育てに莫大な費用がかかることだ。子供を持つ前から噂は耳にするが、実感するのは自分で払う身になってからのこと。その頃には、後悔してもすでに遅し、というわけだ。

 保育園の年間費用は、最も高いマサチューセッツ州で平均1万6430ドル(約164万円)。最も安いミシシッピ州でも平均4863ドル(約48万円)。幼稚園も似たような額だ。

 40の州で、両親の合計収入の10%から19%が保育園・幼稚園の費用に充てられている。

 筆者が暮らすサンフランシスコでも、保育園の月額は、10万円から15万円は覚悟しなければならない。人気のセレブ保育園は、年間250万円ほどかかる。これが子供1人にかかる金額で、2人以上の子供がいる家庭は、割引も何もなく同じ金額が加算されていく。