「アイフォーン4(iPhone 4)」の本体の握り方によって電波の受信状態が悪くなると苦情が相次いでいる問題について、米アップルは7月2日、ウェブサイトに掲載したユーザー宛ての公開書簡で「ソフトウエアに不具合があった」と釈明した。

問題は初代モデルからあった

「iPhone4」、発売から3日で170万台を販売 米アップル

アンテナの感度ではなく、アンテナバー表示に問題が〔AFPBB News

 携帯電話の電波状態の強弱をディスプレー上に示す「アンテナバー」に誤りがあり、多くの場合、実際の電波状態よりも多くの本数を表示していることが分かったと説明した。

 この問題はアイフォーン4に限ったことではなく、2007年に発売した初代モデル、第2世代の「3G」、第3世代の「3GS」のいずれでも起こるとしている。

 アップルは問題に対処するためソフトウエアアップデートを数週間内に公開する。また、もしアイフォーン4に満足してもらえない場合は、故障していないものに限って30日以内であれば返品に応じ、全額返金するとしている。

 アップルはこの中でまず前提として、アイフォーン4や同3GSモデルをはじめ、米グーグルが開発を進める基本ソフト(OS)を搭載する米モトローラ製端末、フィンランドのノキア製端末であっても、特定の握り方をすると、受信状態が悪くなり、アンテナバーの数が1本から数本減ることがあると説明した。

 そのうえで、アイフォーン4のユーザーから、本体側面金属部分の左下にある黒いスリット部分を強めに握るとバーが4~5本減ると報告されたことに言及。

 「これは携帯電話の通常の振る舞いよりも低下が大きいため、一部のユーザーがアイフォーン4のアンテナ構造に結びつけて考えた」(同社)

 しかし一方で、ユーザーなどからアイフォーン4の受信性能は、前モデルの3GSよりも良いという声も寄せられ、そのことは同社のテスト結果とも一致するとした。そしてこの2つの報告の矛盾を追究すべく調査したところ、単純かつ驚くべき事実が分かったという。

「計算式の誤りを発見し、愕然とした」

 それによると、信号の強弱を判定し、それをディスプレーのバーとして表示する際の計算式に誤りがあることが分かった。アップルはこの事実に愕然としたと述べている。

 この誤った計算式により、アンテナバーの数はほとんどの場合、実際の電波状況よりも2つ多くなるのだという。

 ユーザーが特定の握り方をしてバーの本数が減ったり、圏外表示の経験をしているが、たいていの場合そのエリアの電波状態が非常に悪いことが多いのだとアップルは説明している。

 しかしそうした状況でも4~5本のバーが表示されており、ユーザーが実際の電波状態を知るすべはない。大きく本数が減るという現象は、もともと本数表示が実際の状況とは異なっているために起こるのだとアップルは結論づけている。