フィンランドのノキア工場を見学したとき、工場の機器がパナソニック製だった。ちょっと嬉しかった(自分には全く関係ないけれど)。
10年前のアメリカ――自動車や電器製品は日本メーカーが市場を席巻したが、ケータイ端末はなぜかノキアがやって来た。
NOKIAという母音の多い語感が、「Made in Japan?」と、いい意味で勘違いされていた。
北欧から世界へ。栄枯盛衰のノキア物語
そのころ、ノキアの売り上げは4年間で3倍に伸びている。
あれから13年。ノキアはマイクソロフトにケータイ部門を売却した。その額54.4億ユーロ、日本円で約7180億円(参考:マイクロソフトのリリース、ノキアのリリース)。
ノキアのケータイ部門の売り上げは、この4年で半分以下になり、2012年度、ついに損失を計上した。
マイクロソフトとノキアの関係が近くなったのは、2011年初頭から。
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毎年恒例、マイクロソフトのCES基調講演。壇上のスティーブ・バルマーCEOが、「スペシャルゲストがいる」と言って手招きすると、ノキアのスティーブ・イーロップCEOが現れた(彼はマイクソロフト出身のカナダ人だ)。
彼はスティーブ・ジョブズの如くポケットから何やら取り出し声高に言う。
「Lumia。Windows Mobile OS を採用したノキアのスマートフォンをアメリカで2011年2月から発売する」
会場のどよめきはそれほどでもない。なぜなら、iPhone発売から3年、Androidフォンからも2年。ギークな観客にとって、スマートフォン自体、なんら新しくない。
結局、Lumiaはいまだにシェア3%以下である(デザインは格好いいのだが・・・iPhone5Cが発表になったときは、ノキアUSAはこんなツイートをしている)。