市場調査会社の米IDCが8月30日までにまとめたリポートによると、アジア太平洋地域(日本を除く、以下同じ)では、画面サイズの大きなスマートフォンの出荷台数が急増しているという。今年4~6月期における同地域向け製品の出荷台数は2520万台で、タブレット端末の1260万台、ノートパソコンの1270万台を大きく上回っている。

S4の米国発売延期は「予想外の需要が原因」 サムスン

サムスン電子の「ギャラクシーS4(Galaxy S4)」〔AFPBB News

 ここで言う大型スマートフォンとは、画面サイズが5インチ以上、7インチ未満の製品で、米アップルの「iPhone(アイフォーン)5」の4インチより一回り大きく、「アイパッドミニ(iPad mini)」の7.9インチより一回り小さいサイズ。

 これらはスマートフォンでありながら使い勝手がタブレットに似ていることから「ファブレット(Phablet)」とも呼ばれている。

 IDCによると、このファブレットのアジア太平洋地域における今年4~6月期の出荷台数は、前の四半期から2倍、前年同期から7.2倍に増えている。

さらに大型化するサムスンの「Galaxy Note」

 そしてこのカテゴリーを牽引しているのが韓国サムスン電子だという。同社は2011年に5.3インチの「ギャラクシー・ノート(Galaxy Note)」を発売し、スマートフォンとタブレットの間に新しいカテゴリーを作ったと言われている。

 サムスンは昨年、5.5インチへと大型化した後継機種「同ノートII」を発売したが、今年9月6日からドイツのベルリンで開催される国際コンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2013」では、さらに大きな5.7インチのモデル「同ノートIII」を発表すると見られている。

 IDCによると、サムスンのギャラクシー・ノートシリーズは、当初ファブレットの市場で90%の市場シェアを持っていた。だが、ここ最近の同社のシェアは50%以下にまで低下している。

 ファブレットは、韓国、香港、シンガポールといったアジア太平洋地域の成熟市場で広がり、今は中国やインドなどの新興国市場でも勢いを増している。