6月半ばに米グーグルはモバイル端末用カーナビアプリを手がけるイスラエルの「ウェイズ(Waze)」という新興企業を買収したと発表したが、この買収に米国の独占禁止法当局が「物言い」をつけたようだ。

 米ニューヨーク・ポストは22日付の記事で、米連邦取引委員会(FTC)がグーグルによるウェイズの買収を調査すると伝えた。米ウォールストリート・ジャーナルは同日付の記事で、グーグルの広報担当者がFTCからこの件に関して連絡を受けたことを明らかにしたと伝えている。

防衛的な買収が独禁法に抵触?

米グーグルのストリートビュー、パリなど仏6都市でも

ウェイズ買収は、グーグルとしては過去4番目に大きな案件だが・・・〔AFPBB News

 今回の買収は取引金額が10億ドル超に上り、グーグルとしては過去4番目に大きな買収案件と言われている。ウェイズにはまだ確固たる収益源がないため売り上げ規模は小さく、独禁法調査の対象にならないと考えられていた。

 だが米メディアの報道によると、FTCはグーグルの買収意図と、世界の地図サービス市場に及ぼす影響の2つを調査するもようだ。

 今回グーグルは同社のライバルである米フェイスブックや、米アップル、米マイクロソフトがウェイズを買収するのを阻止するために買収を決めたと見られている。FTCの調査ではこうした防衛的な買収が独禁法に抵触するかどうかを調べる。

 また米ブルームバーグによると、グーグルのiOS端末における地図サービスの米国利用者シェアは32%。ウェイズは6.3%で、両社を合わせると4割弱を占めている。

 ウェイズはアップルなどグーグルの競合企業に技術をライセンス供与している。こうしたことから今後グーグルが地図サービス市場の支配的地位を利用し、競合企業を締め出すようなことがないかということを調べる。