米グーグル、地図アプリ「Waze」を買収 推定13億ドル

グーグルマップの「ピン」をかたどったオブジェ(サンフランシスコで)〔AFPBB News

 米グーグルは11日、スマートフォンなどのモバイル端末用カーナビアプリを手がけるイスラエルの「ウェイズ(Waze)」を買収したと発表した。ウェイズの買収については両社が交渉中で、近く合意しそうだと伝えられていたが、ついに最終合意に達し、正式発表になったというわけだ。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると取引金額は10億ドル以上。これはグーグルの15年の歴史で4番目に大きい買収。しかしこの金額はグーグルの時価総額の3%にも満たないため、同社は買収金額を開示する必要がないという。

 ウェイズは、米アップルのアイフォーンやグーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」向けのカーナビアプリを開発し、利用者に無料で提供している企業。

 収益源はアプリに表示される広告。だが、同社の事業はまだ規模が小さく、米独禁当局が調査するまでには至らなかったとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

グーグルの地図サービスより便利との評価も

 グーグルも自社の地図サービスでナビゲーション機能を提供している。しかし、ウェイズのサービスはソーシャルマッピングとも呼ばれる、利用者のデータを収集し、リアルタイムに反映する仕組みが特徴となっている。

 これには大きく分けて2つある。1つはスマートフォンのGPS機能を利用して、経路や走行速度を把握し、道路・交通状況を推測する機能。もう1つは利用者のデータ入力による、交通事故、障害物、スピード違反取締、ガソリンスタンドの価格などの情報を表示する機能だ。

 こうした仕組みで情報はリアルタイムに反映され、地域に利用者が多いほど精度が高まる。時には自分の知らない近道を発見する場合もあり、グーグルのサービスより優れているとの評価も少なくないという。