ミャンマーは、アジア最後の経済フロンティアとも言われる。2011年に現在のテイン・セイン政権が誕生して以来、驚くべきスピードで開国が進み、日本での注目度も急に高くなり、先日は安倍晋三首相の訪問も実現した。
この流れに伴い、多くの日本人ビジネスマンがミャンマーを訪れてはいるものの、ほとんどの日本人は見たり聞いたりするにとどまり、実際には行動を起こさないため、現地ではNATO(No Action, Talk Only)と揶揄されているとか。
ミャンマーブームで重宝される「現地で動ける日本人」
そんな風潮の中、現地で「起業」しようと、友人5人とともにミャンマーに飛び込んだのが、元リクルート社員の鈴木賢さん27歳。
慶應義塾大学を卒業した後、リクルートに入社し、最前線で活躍していた彼は、体調を崩したことと、新しい業界でのチャレンジを考え、昨年夏に退職を決意。
それで、次のステップを考えていた際、久しぶりに再開した友人が「ミャンマーで安い宿泊施設を作ろうと思ったができなかった」という話を聞き、初めてミャンマーに興味を持ったそうだ。
自分でもいろいろ調べ、ミャンマーに行ってカレー屋で起業しようと決めたところ、友人が次々と「自分も行く」と言い出し、最終的に5人で行くことになった。
早速、何人かに分かれてミャンマー入りし、カレー屋ビジネスを具体化するはずが、現地で各種調査を行った結果、ヤンゴンの不動産価格急騰により、低単価のカレー屋ではコスト回収に時間がかかると判断し早々に方針を撤回。
そんな、何をするのか決まっていない状態だったものの、生活しながら事業を起こすほうが早いと考え、現地にマンションを借り、5人で移住を開始したのが昨年の年末のこと。
案ずるより産むがやすし。今のミャンマーブームにおいて「現地で動ける日本人」は貴重であるようで、早々にいくつかの仕事が入ってきている。
現在、鈴木さんは5人の仲間で登記予定の法人の代表であると同時に、ステイジアキャピタル・ミャンマー(Stasia Capital Myanmar Co.,Ltd)ジェネラル・マネージャーとしても活動している。