NECとレノボ、パソコン合弁で最終調整へ 日経

パソコン市場でも好調を維持している中国レノボ・グループ(聯想集団)〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国レノボ・グループ(聯想集団)は今後1年以内に米国のスマートフォン市場に進出したいと考えているという。レノボの楊元慶・最高経営責任者(CEO)兼会長がインタビューに応じて、そう答えたと同紙は伝えている。

 レノボといえば、低迷する世界のパソコン市場で唯一好調を維持しているパソコンメーカー。先週発表した2013年3月期の決算では、過去1年間における業界全体のパソコン出荷台数が8.1%減少したのに対し、同社は10.2%伸びたと公表していた。

 だが、楊CEOは、「レノボは長期的な成長のための新しい原動力を探っており、スマートフォンがその新たな機会になる」とウォールストリート・ジャーナルに話している。

 同紙によると、レノボは昨年から中国以外の市場でスマートフォン事業を拡大しており、まず手始めにインド、ロシア、インドネシアといった新興国市場を対象にした。そして次に狙うのが、米国や欧州だという。

スマホ販売、中国市場で2位に、2012年

 米ストラテジー・アナリティックスが今年3月にまとめたスマートフォン市場の調査によると、昨年1年間の中国におけるレノボの販売台数シェアは13.2%で、韓国サムスン電子の17.7%に次いで2位だった。レノボのシェアは前年の4%から大きく拡大し、米アップルの11%、中国・華為技術(ファーウェイ)の9.9%、中国・酷派(クールパッド)の9.7%を上回っている。

 レノボは中国国外ではスマートフォンメーカーとしてあまり知られていないが、同国内では大きな力を持っており、その強みを米国市場でも生かしたいと考えているようだ。

 ただし、ウォールストリート・ジャーナルは米IDCの調査リポートを引用し、米国のような成熟市場では中国ほどには同社ブランドは浸透していないと指摘している。

 同紙が示している調査リポートとは、今年1~3月期のパソコン出荷台数調査のこと。これによると、レノボ製パソコンの世界出荷台数は1170万台で、首位の米ヒューレット・パッカード(HP)の1199万台と僅差の2位だった。