週刊NY生活 2013年4月6日437号

 ニューヨーク市で室内禁煙の条例が施行されてから3月30日で10周年を迎えた。ブルームバーグ市長は声明で、条例の普及効果でおよそ1万人のニューヨーカーが将来的に喫煙の健康被害で死亡する危険性を回避できたなどとして成果を強調した。

室内禁煙の法令施行から10周年を迎えたニューヨーク市(撮影・山越晃記者)

 2003年に条例が施行されてからはレストランやアパート内では全面禁煙となり、喫煙所も限られた場所にのみ設置されるなど喫煙者に対する規制を長年強化してきた。

 ブルームバーグ氏は2002年市長選に共和党から立候補して初当選し、その後ニューヨーカーへの健康促進に関連した政策を最重要課題の一つに掲げ、2009年末には3選を果たすなど市民から政策へ一定の支持を得ている。

 ニューヨーク市は、市民権を持つニューヨーカーを対象にした統計調査で、たばこを吸う低所得者が収入の約25%をたばこに出費している事実を基に健康および家計両面の実態改善を進めている。また、喫煙者のいない住居で生活を希望する市民が59%に上ることを公表、市民の意識向上もアピールしている。

 3月20日にはデリなど人目につく場所へのたばこ設置を禁止する法案を新たに提出するなど、同市では規制強化の動きが活発化している。

 健康対策では3月11日に施行直前だった炭酸飲料のラージサイズ販売禁止が無効判決により中止されたことに対し、市長が判決はまったくの誤りとして控訴の意向を現すなど、健康対策の動向が度々話題になっている。

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