AsiaX(アジアエックス) 2013年02月20日

 リー・シェンロン首相は2月19日、マレーシアのナジブ・ラザク首相と恒例の首脳会談を行い、シンガポールとクアラルンプールとの間に高速鉄道を2020年の完成をめどに建設することで合意した。両都市を90分で結ぶ鉄道を想定しており、時速は300キロ超になる。

 リー氏はロンドンとパリを結ぶ高速鉄道のユーロスターを引き合いに「住民間の交流、協力・相互依存の度合いが大きく変わる」と述べた。

 高速鉄道計画は数カ月前、ナジブ氏が国際会議の場でリー氏に初めて提案し、リー氏も双方にプラスとなる計画と感じたという。

 ナジブ氏は、インフラ建設は両国政府が援助し、運営を民間に委託する方式を考えている。マレーシア側は既に予備調査を行っているが、予想される経費についてナジブ氏は時期尚早として触れなかった。

 シンガポール/クアラルンプール間は、鉄道で8時間、バスで5時間、乗用車で4時間、航空機で40分かかる。

 両地を往来する旅客数は、航空機利用客が推定で年520万人。陸路利用の旅客数は不明。シンガポール/クアラルンプール間とほぼ同じ距離の、台北/高雄高速鉄道の利用客は年4450万人。

 シンガポール側の終着駅は西部トゥアスが考えられる。オブザーバーは、建設費用が巨額に上ることに加え、騒音、土地占有といった環境への影響を指摘した。

 両首脳は会談後、新都心マリーナ・ベイにおける両国共同の不動産開発プロジェクトを視察。その後、マレーシア・ジョホール州に赴き、健康増進施設の起工式などに出席した。