米アマゾン・ドットコムが自社ブランドのスマートフォンを開発中という観測はこれまで何度も流れていたが、最新の海外メディアの情報が正しいとすれば、「キンドルフォン」とも呼ばれる同社初の端末は今年後半にも登場しそうだ。

 ただし、発売時期はアマゾンの当初計画よりも遅れることになるという。

台湾紙、量産は6月以降になると報道

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「キンドル・ファイア」を手にするジェフ・ベゾスCEO〔AFPBB News

 台湾のIT業界紙、デジタイムズの11日の報道によると、アマゾンのスマートフォンの開発を請け負っているのは台湾ホンハイ(鴻海精密工業)傘下の中国フォックスコン(富士康国際)。

 このフォックスコンの子会社で、電子書籍端末「キンドル(Kindle)」とタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」も手がけたエンスカイテックという企業が現在、技術確認試験を行っているという。

 ただ、アマゾンの当初の計画では、今頃はこの開発段階の試験はとっくに終えていなければならない時期。アマゾンは1~3月期に次の段階である生産確認試験を終え、4~6月期に量産体制に入るという予定だった。このことからデジタイムズは、「現在の進捗状況を見るとアマゾンは6月まで量産を開始できない可能性が高い」としている。

 デジタイムズがフラットパネル部品サプライチェーン(供給網)の情報筋の話として伝えているその理由は、「モバイルプラットフォームに関係する問題が発生したため」。

 アマゾンはキンドル・ファイアで米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を採用し、それを自社サービスに合わせて、仕様を独自にカスタマイズしているが、おそらくスマートフォンもアンドロイドを採用し、仕様を変更する。アマゾンは現在、その調整などの作業に手間取っていると考えられそうだ。

ベゾスCEO、インタビュー番組で明確に否定せず

 アマゾンがスマートフォンの開発を行っているという噂は、一昨年の11月にサプライチェーンの情報を入手したという米シティグループのアナリストが報告し、浮上した。また昨年7月には米ブルームバーグが事情に詳しい関係者の話として伝えて話題になった。

 また、米フォーブスの記事は、昨年11月に米国の人気インタビュー番組「チャーリー・ローズ・ショー」に出演したジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が、ローズ氏の質問に対し、はっきり否定しなかったことから、業界関係者の中で同社のスマートフォンの存在を信じる人が増えたと伝えている。