朴槿恵氏が大統領選に勝利、韓国初の女性大統領誕生へ

2月25日に大統領に就任する朴槿恵(パク・クネ)氏〔AFPBB News

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)新政権が2013年2月25日に発足する。難航を重ねた末に主要人事が発表になった。大統領府(青瓦台)や閣僚人事から新政権を切り回す新人脈像を探ってみた。

 新政権の人事は、予想よりも大幅に遅れた。これまでの政権では、大統領当選者を中心として何人かの側近が人事を決めてきた。

 大統領選挙での「論功行賞」や地域バランスなどを考慮して12月の選挙直後から人事が動き出すのが普通だった。李明博(イ・ミョンバク)政権では、実兄で国会議員だった李相得(イ・サンドク)氏を中心とした数人が人事に大きな影響力を持っていた。

過去の「権力型不正」を警戒し、ほぼ独りで人事を決断

 ところが、朴槿恵氏はほとんどの人事を自分で決めたと言われる。「側近」と称する人物が跋扈し、人事の請託などを受ける「権力型不正」が後に次々と発覚したというこれまでのパターンを極度に警戒したようだ。

 クリーンさが売り物の朴槿恵氏らしい人事だが、一方で、人事に時間がかかり、さらに「人物検証」の面で多少の抜かりがあったことは否めない。首相や青瓦台秘書室長といった「核心人事」が遅れに遅れた。また、1度首相候補に指名した人物が、不透明な蓄財問題などを追及されて辞退に追い込まれることにもなった。

 閣僚などは国会での「人事聴聞会」を経た同意が必要だが、この手続きも大幅に遅れ、2月25日の大統領就任式に主要閣僚の就任が間に合わないことが確実になった。大統領に就任しても、当面は李明博政権の閣僚が留任する見通しだ。

 発表になった人事は、サプライズの少ない実務型だった。派手な言動で知名度の高い人物よりも目の前の仕事をもくもくとこなす専門家を好む朴槿恵氏らしい人事だという評判だ。

 韓国の政府重要人事と言えば、まずは大統領府と閣僚になる。大統領府では、秘書室長のほか、国家安保室長と警護室長という3人の閣僚級室長と、次官級の9人の首席秘書官が発表になった。

 閣僚は首相以下18人。このうち、李明博政権では置かなかった「経済副首相」を復活させた。「経済」を重視する新政権の目玉人事でもある。