米国の市場調査会社、ガートナーが14日に公表したパソコン市場に関する調査リポートによると、昨年10~12月期における世界のパソコン出荷台数は9030万台となり、1年前の同じ時期に比べ4.9%減少した。

 米マイクロソフトが10月にリリースした新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」は四半期中の出荷台数に大きな影響を与えず、パソコン市場は依然として低迷が続いている。業界が抱える問題点は、単に景気低迷の影響にとどまらず、パソコン市場は構造的な転換期を迎えているという。

 これに先立ち、別の調査会社である米IDCが公表した同四半期の出荷台数は8980万台で、こちらは1年前に比べ6.4%減という結果だった。両社の数値には多少の違いはあるもののパソコン市場の低迷ぶりを示している点では同じと言えそうだ。

「パソコンの市場環境は劇的に変化」

iPad miniと第4世代iPad、発売3日で300万台売り上げ

アップルの「アイパッドミニ」(左)と第4世代の「アイパッド」(右)〔AFPBB News

 ガートナーによれば、こうした状況の最大の要因はタブレット端末にあるという。

 同社の主席アナリスト、北川美佳子氏は「タブレットがパソコン市場を大きく浸食しているとは言えないものの、消費者は古いパソコンを買い替える際に、タブレットを選ぶようになっており、パソコンの市場環境は劇的に変化している」との見方を示している。

 さらに同氏は、「かつて消費者がパソコンとタブレットの両方を持つとしていた考え方はここに来て変わってきた」と説明。「多くの人は普段タブレットでコンテンツを消費し、何か創造的な作業を行う際は共有のパソコンを使うようになる」(同氏)という。

 こうした状況を背景に、同社は「消費者は今後家庭にある2台目のパソコンを買い替えることはせず、それに代えてタブレットに移行していく」という仮説を立てている。