個人的な事情で恐縮だが、鳩山由紀夫氏が辞任を表明してからというもの、まともに睡眠を取った記憶がない。ルーティーンの執筆や活動のほか、マスコミへの対応に追われている。

鳩山首相辞任後、携帯電話が鳴りっぱなし

鳩山首相辞任、日本経済への影響は

民主党の臨時両院議員総会で辞任を発表する鳩山由紀夫前首相〔AFPBB News

 6月2日朝6時30分に外出。国営新華社通信記者からの電話で鳩山氏の辞任を知った。6月8日現在まで、電話は鳴りっぱなし、24時間体制である。テレビ番組は13本、8本のコラム、面会は20件、5つの座談会をこなした。

 中国メディア・有識者が日本の政局に関心を持っていることは既存の事実であるし、喜ばしい現状であるが、ここまで忙しくなるとは、正直予想していなかった。

 テレビでは鳩山氏が辞任した理由を、わりと扱いやすいテーマを中心に議論した。

 普天間米軍基地問題でのミスマネジメント、政治とカネの問題に帰結すること。日本国民は鳩山由紀夫・小沢一郎両氏の辞任をどう認識しているのか。

 新しいリーダー菅直人氏はどんな人物なのか。2006年の日米合意は確実に履行されるのか。菅首相は中国をどう見ているのかなどである。

 香港系フェニックステレビは、菅首相が取り組むべき課題として、(1)米軍基地問題、(2)経済の復興、(3)小沢氏との関係、(4)参院選対策などを分かりやすく解説しようとした。

日本の首相はなぜころころ代わるのか?

安倍元首相、米朝直接交渉「支持」を表明

この人から始まった。安倍晋三・元首相〔AFPBB News

 一方、新聞や雑誌となると、より深いアプローチがなされる。

 鳩山政権のキーマンであった小沢氏まで辞任したことは予想外であったか。同氏は菅政権でも引き続き影響力を発揮していくのか。7月の参院選に向けて、菅首相は消費税や法人税、成長戦略の具体的な実行プランをどう国民に説明するのか。

 こうしたテレビや雑誌の取材を受けた中で、ほぼ全員の記者から異口同音に発せられた質問が1つある。

 「日本の首相はなぜここまで頻繁に代わるのか?」

 自民党時代の安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏はそれぞれ1年、民主党初のリーダーとして気合十分だった鳩山氏は260日の短命に終わった。中国輿論は日本を「頻繁換相」の国家だと修飾する。