未来の党が行ったアンケートの途中経過(同党のウェブサイトより)
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 先週結成された「日本未来の党」が、いろいろな話題を提供している。

 12月3日には「脱原発に賛成ですか?」というネットアンケートを取ったところ、7割が「反対」という結果が出て、あわてて数字をリセットし、「原発推進に賛成ですか?」というアンケートに切り替えたが、またも「賛成」が圧倒的多数になり、サイトを閉鎖してしまった。

電力会社をすべて倒産させる「卒原発」

 永田町では、未来の党は「小沢傀儡(かいらい)政党」と呼ばれている。傀儡政権という言葉はあるが、傀儡政党というのは新語である。滋賀県の嘉田由紀子知事が11月27日に結成した日のうちに、小沢一郎氏の「国民の生活が第一」などが合流し、民主・自民に次ぐ第3勢力になった。

 しかし未来の党は、嘉田氏の意思で始まった政党ではない。彼女自身が「岩手県の達増拓也知事から9月末に小沢氏との会談を要請されたのがきっかけで、まったく想像していなかった」とか「なぜ私に声をかけてくれたのか」などと語っている。「小沢氏に誘われて新党結成を決めたのか」という問いには「そうだ」と認めた。

 正直と言えば正直だが、これでは嘉田氏の掲げた「卒原発」などのスローガンは、小沢氏を隠すための煙幕と言われてもしょうがない。その看板政策である卒原発の「カリキュラム」と称するものも、驚くべき内容だ。

 それによれば、全国の原発を再稼働しないで10年かけて廃炉にする。これで生じる電力会社の損害を「交付国債」で補填し、発送電分離など電力自由化を行い再生可能エネルギーを増やすという。