12月2日放送の『やすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、先週に引き続き元衆議院議員の中山正暉氏がナビゲーターを務めた。
日ソ中立条約を破棄し、千島列島を占拠したソ連
中山 近年、国際化が進み「地球が小さくなった」と言われますが、今日のグローバル時代に至るまで、世界にはどんな歴史があったのでしょうか。
15世紀から17世紀にかけて、スペインやポルトガルなどのヨーロッパ諸国が航海・探検により海外進出を行った大航海時代がありました。
スペイン、ポルトガル両国は新航路の開拓をめぐり紛争を繰り返していましたが、1494年に大西洋上のカーボベルデ岬諸島の西方370レグア(約2070km)を通る子午線を境に、西をスペイン領、東をポルトガル領と定めるトリデシリャス条約を締結します。
さらに1529年にはサラゴサ条約によって東経144度30分でもう1本の線が定められ、地球を2つに分けようとしましたが、その境目は北海道の釧路あたりを通っています。やがてスペイン、ポルトガルが衰退すると、世界の覇権は英国やロシア、米国などに移っていきます。
これらの大国が台頭する時代になると、世界では第1次世界大戦、そして第2次世界大戦という2つの大きな戦争が起こり、日本にとってはドイツ、イタリアという遠方の国と日独伊三国同盟を結んだことが大失敗の原因になりました。
第2次世界大戦末期、広島と長崎に原爆が落とされ、日本はポツダム宣言を受諾し終戦を迎えるわけですが、この時ソ連は日ソ中立条約を破棄し、日本に宣戦布告してきました。
日本が降伏文書を一度拒否したことを口実に、原爆投下後の8月9日未明に満州の国境を越えて日本へ侵攻し、千島列島を占拠した。北方領土問題が生じた背景には、このソ連対日参戦が深く関係しているのです。
その後、シベリア抑留としておよそ60万人の日本兵士や民間人が連行され、厳寒の中での劣悪な強制労働などによって多くの人が命を落としています。このように、悲しい運命のもとで生涯を終えていった多くの方がいるという事実を、現代に生きる我々は決して忘れてはなりません。
野田佳彦首相が12月に予定していたロシア公式訪問がロシア側の事情により延期となりましたが、今後こうした世界の大国が戦争放棄国である日本に対してどんな対応をしてくるのか、しっかりと注目すべきではないでしょうか。