米マイクロソフトが統合型ビジネスソフト「オフィス(Office)」について、アイパッド(iPad)やアイフォーン(iPhone)、そして米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」向けアプリを準備していると報じられ、話題になっている。
米国のテクノロジー系ニュースサイト、ザ・バージは7日、事情に詳しい複数の関係者の話として、マイクロソフトが来年初めにも、これら米アップルと米グーグルのOS向けアプリをリリースすると伝えた。
それによるとこのアプリは無料で提供される。「Word」「Excel」「PowerPoint」文書の閲覧が可能だが、編集はできず、編集機能を有効にするには、月額課金形式のクラウドサービス「オフィス365」を利用しなければならない。
しかし、それでも基本的な機能しか備えず、デスクトップ版オフィスと比べて大きく見劣りするという。
2つの事業部門で異なる思惑
マイクロソフトが競合企業のモバイルOS向けオフィスを開発しているという話はこれまでも何度もあった。しかし、そうした観測が流れるたびに同社は否定したり、一部を認めたりと曖昧な回答。その後もいっこうに正式発表はなく、いまだリリースに至っていない。
マイクロソフトがこうして長らく利用者を待たせているのは、同社の各事業部門でそれぞれ思惑があり、慎重にならざるを得ないからと言われている。
というのも、このオフィスを手がける「ビジネス部門」とパソコンOSを手がける「ウィンドウズ部門」の売り上げは、それぞれ全売上高の約3割を占めており、いずれも同社にとって重要な事業だ。
ここ最近は、タブレットやスマートフォンのブームでパソコン販売が低迷し、今年7~9月期のウィンドウズ部門の売り上げは全体の2割にまで落ちんだ。