米ヤフーは先週、年内いっぱいで韓国の事業から撤退すると発表した。同社は1997年から同国でポータルサイトや検索連動広告などを手がけてきたが、ここ数年は事業環境が厳しく、事業の拡大が困難になっていた。

韓国のシェア、わずか1.5%、撤退は合理的判断

 海外メディアによるとヤフーがアジアで事業を撤退するのは韓国が初めて。同社はこの計画を長期成長戦略の一環と位置付けており、今後は事業の効率化と、より強いグローバルビジネスの構築に向けて経営資源の集中を図るとしている。

米ヤフーのメイヤーCEO、男の子を出産

グーグルからヤフーに転じたマリッサ・メイヤーCEO〔AFPBB News

 ヤフーでは、今年7月に元グーグル幹部のマリッサ・メイヤー氏が最高経営責任者(CEO)に就任し、今は経営改革の真っ最中だ。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、韓国では、検索・ポータルサービスを手がけるNHNが52%の市場シェアを占め、ダウム・コミュニケーションズが34%でこれに次いでいる。

 一方「ヤフー・コリア」のシェアはわずか1.5%。こうした状況ではもはや巻き返しは困難とメイヤーCEOが判断したようだ。

 ただしヤフーの経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況だ。主力の広告事業は、米グーグルや米フェイスブックなどのライバル企業にシェアを奪われ、ここ数年は売り上げが減少している。

メイヤーCEOの改革、まずは内部から

 そうした中、メイヤー氏がヤフーのCEOに就任してから3カ月がたち、投資家は同氏から今後の方向性についての説明を待っている状態だ。

 というのも、同氏がこれまでしてきたことは、主に内部の改革にとどまっている。例えば、ヤフーは先週、最高執行責任者(COO)にグーグルの営業部門幹部のエンリケ・デカストロ氏を任命したと発表した。8月には最高マーケティング責任者(CMO)を、9月には最高財務責任者(CFO)と人材部門の上級副社長を任命するなど、外部から主要部門に人材を雇い入れている。