ニッケイ新聞 2012年9月29日

 80年代に聖市で最も恐れられた凶悪殺人犯“カボ・ブルーノ”として知られ、8月に27年の刑期を終えて出所したばかりのフロリスヴァウド・デ・オリヴェイラさん(53)が27日、自宅前で何者かに射殺された。28日付伯字紙が報じている。

 かつて「50人を殺した」とも言われる軍警に所属した「ジュスチセイロ」(法の裁きをへない報復殺人者)で、逮捕後も3度の脱獄を果たしたものの、刑務所内で信仰に目覚め改心し、模範囚としての出所後に福音派の宣教師となった。

 そんなフロリスヴァウドさんの話は25日付本紙でも伝えたばかりだったが、その数日後にフロリスヴァウドさんに悲劇が襲った。

 27日午後11時45分頃、フロリスヴァウドさんは教団での仕事を終え、家族と共に車で聖州ピンダモニャンガバにある自宅に戻って来た。車には妻のダイセさんと継娘、義弟の3人が同乗していた。

 そしてフロリスヴァウドさんが後部座席から降りようとした瞬間、車に近づいてきていた2人の男から45口径と38口径の銃弾を計18発発砲され、フロリスヴァウドさんの顔や胸、首を次々と襲った。家族はすぐに救急車を呼んだが、即死だった。

 28日現在で犯人はまだ逮捕されていない。義弟によると辺りは真っ暗で何も見えず、ことの恐ろしさに何が起こっているかもわからず、ただ泣くしかなかったという。また、フロリスヴァウドさんの義姉の話によると、殺害を事前にほのめかすような脅迫電話などは一切なかったという。

 警察は、カボ・ブルーノと名乗っていた時代に殺された被害者の関係者による復讐ではないかと見ている。

 エスタード紙によると、フロリスヴァウドさんは死の直前にマスコミの取材に答えており、「州都第一コマンド(PCC)が自分の命を狙っている」などの噂をマスコミが流していることに辟易すると、答えていたという。

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