2012年8月末から大手格付け会社が相次いで韓国の国債格付けを引き上げた。史上初めて日本を上回る格付けも登場した。
韓国にとっては嬉しいニュースのはずだが、経済界はいたって冷静だ。経済の先行き不安感が強く、「それどころではない」からだ。
大手格付け会社3社が一斉に格上げ
格上げの先陣を切ったのはムーディーズ・インベスターズ・サービス。8月27日に韓国国債の格付けを「A1」から「Aa3(ダブルAマイナスに相当)」に1段階引き上げたと発表した。
日本や中国、台湾と同格で、韓国がムーディーズから得た格付けとしては史上最高等級になった。
1週間後の9月6日にはフィッチ・レーティングスが韓国の国債格付けを「A+」から「AA-」に1段階格上げした。フィッチの場合、日本の格付けは「A+」で、韓国は史上初めて格付けで日本を上回った。
さらに1週間後の9月14日には、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も韓国の国債格付けを「A」から「A+」に格上げした。
日本に比べてまだ1段階下だが、わずか3週間で有力格付け会社が一斉に韓国国債の格付けを引き上げたことになる。
韓国にとってはもちろん、良いニュースだ。韓国メディアは、ムーディーズやフィッチの格付け引き上げには特に沸き立った。
植民地支配の「国恥」から102年の雪辱
「庚戌国恥102年 宿命のライバル韓日実力比較」――。9月1日付「毎日経済新聞」はこんな特集紙面を掲載した。
庚戌とはここでは1910年を指す。この年の8月末、日韓併合条約が公布・発効し、大韓帝国は日本に併合され、日本による植民地支配が始まった。この条約が発効した日は韓国では「国恥」なのだ。