今回から、このコーナーでキュレーションをさせていただくことになりました。そこで、まず初回は私が最近考えていることを紹介したいと思います。
日本のマーケティングは大きな変化の中に
マーケティングを取り巻く環境が変化していることは、読者の皆さんもお気づきのことだと思います。環境の変化、マーケティング自身の変化が起こり、そして実はその変化に相互作用があるのです。
環境の変化には、消費者の多様性が増したことが大きいのではないでしょうか。すでに日本は多民族、多言語の市場に変化しています。
一例を示すと、外国からの日本への観光客は、2010年には800万人を超えています。また、2010年度の在日外国人は200万人を超えています(出典:日本政府観光局[JNTO]「訪日外客の動向」)。
もはや日本では日本語を母国語としない住民と訪問者も消費者になり、この数は今後も増えていきます。
また、日本人の中にも多様な生活スタイル、商品選択の視点が存在します。つまり、日本人の中にも多様性があり、非日本人も含めた市場全体では、さらにその多様性の広がりが見られるわけです。
そして、マーティング自身も、よりデータ分析を根拠としたものに変化しています。
これは、横山隆治さんのコラム「革命前夜を迎えた広告業界、準備すべきことは?」にもあるように、デジタルマーケティングの進化が一番大きな変化ですが、他にもコンピューティングの進化で、大量のデータを分析するビッグデータ分析がマーケティングの領域でも使えるようになったという変化も大きいと思います。
このように、消費者の多様化とデータ分析によってマーケティングの仕事も大きく変わってきたと思います。
今までは、マーケッターが消費者の立場になって考えることもできました。しかし、現在のように多様な市場では、もはやすべてのターゲットの消費者の立場になることはできず、データを見て判断することが重要です。
そして、そのデータは、デジタルマーケティングを理解することによって多くの種類や方向から取得することが可能です。すなわち、今までとは異なる領域の知識と、視点が必要なのです。