よく知られているが、中国からツイッターやフェイスブックなどのサイトにはアクセスできない。中国の掲示板によろしくないコメントを書き込めば消される。

 近年、ブログ、SNS、マイクロブログ(中国では微博と呼ばれる)と、新サービスが中国国内でも続々と始まり、個人が情報を配信するようになった。

書き込みの消去から積極的PRへ

共産党青年団に、微博などの新テクノロジーを積極的に使うよう伝える通知
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 それに合わせて、新サービスに対応したきめ細かい監視システムも運用されるようになっている。

 今ではスマートフォンでどこからでもクラウドの監視システムにログインして、「よろしくない書き込みが、どのポータルサイト、どの微博のサイトでどのように書き込まれているのか」をチェックし、通報するシステムまで実用化されている。

 一方で、高速鉄道脱線事故あたりからよくない書き込みを「消す」だけでなく、「根本的な疑いを晴らすべく、『微博問政』なる政府によるPR(パブリックリレーションズ)をマイクロブログで積極的に展開していく」ようになった。

 そのPRの指南書として、ネット世論報告書が紙やネットで次々に発表されるようになったので紹介したい。

 去年までの報告書は多くが「素早く話題になっている事件を発見せよ」「事件に関係する自治体、部署の関係者は素早く微博でPRせよ。悪いときは素直に謝罪コメントを発表せよ」「各人がPRの意識を持ち、普段からネットユーザーとフレンドリーに接せよ」といったことが並べられていた。

最近増えている国営企業の世論対策の論文
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 ネットで話題になった社会事件と担当役所のネットでの対応は通知表のように評点され、赤点の役所は公にされ、報告書の中で良い例と悪い例のスタディケースとされた。

 こうしたことから、中国の各自治体はPRができるようにと微博のアカウントを作成し、各自治体各部署で「毎日最低何回つぶやく」といったローカルルールができ、対応に当たった(ただし、その一部は三日坊主で終わっている)。

 都市部の若い世代にネット利用者が集中するが、まさにその利用者にあたる共産党青年団には、スマートフォンで人気上昇中のコミュニケーションサービス「微信」など積極的に新しいネットサービスを利用しPRさせようとしている公告をよく見る。