内戦が続くシリアで、日本人のジャーナリストが銃弾に当たって亡くなった。メディア人として心からお悔やみを申し上げたい。

 ジャーナリストの原点は現場である。山本美香さんは、巨大なメディア産業が政治的意図をもってはびこる日本にあっては異色の、本物のジャーナリストだったと思う。

 大手メディアが記者に避難を命じるなか東日本大震災の直後にも山本さんはいち早く被災地入りしている。シリアにも、契約していた日本テレビ系列の指示とは別に独断で取材に入っていたらしい。

 日本のメディア業界の王道を歩んでいたとは言えないかもしれないが、その足跡はジャーナリズムの王道そのものだった。

 日本が誇れるジャーナリスト、山本美香さん、安らかにお休みください。