本年6月28日、NTTドコモが満を持して発売に踏み切った最新型スマートフォン「Galaxy S3 SC-06D」。

 米アップルのアイフォーン(iPhone)シリーズに対抗するアンドロイド(Android)陣営の急先鋒として世界的に評価の高い同モデルは、NTTドコモ今夏モデルの中でも当然ながら一番人気と言われ、発売直前までの日本国内の予約台数は6万台を超えた。

 Galaxy S3 は、5月3日(現地時間)に韓国サムスン電子が英国・ロンドンで発表。事前予約注文数が全世界で900万台を超え、2012年度の出荷台数は5000万台に達するであろうと言われる。

日本に先立つスマホ新製品発売が示す、カンボジアの急速な通信端末普及

プノンペン目抜き通り、シアヌーク通りに大きく張り出された Galaxy S3 の広告。カンボジアでは、日本での発売日の1週間以上前に入手できた(著者撮影、以下同)

 ロンドンでの発表から2カ月遅れで、日本でも Galaxy S3 が発売された。その日本発売に1週間ほど先行するタイミングで、新興国カンボジアでも発売された。もちろん正真正銘の正規品である。

 カンボジアの首都プノンペンで、筆者の仕事仲間が購入した同モデルの端末単価は630ドル(約5万円)。

 ちなみに日本での価格は発売当時で7万1400円(月次の割引サービス利用を考慮すると、実負担は1万6000円程度とのこと)。

 単純な価格比較で見れば日本より割安。とは言え一般国民の所得レベルを考えればかなりの高価格である。ところが発売当初からカンボジア国内のTVニュースで大きく取り上げられるほどの爆発的な売れ行きを見せ、約2カ月たった今でもかなりの勢いで売れ続けている。

 首都プノンペンをはじめとするカンボジア主要都市において、一般消費者の間でのノートパソコン、タブレット、スマートフォンの類の普及スピードは凄まじい。

 それは決してごく一部の富裕層に限った話ではない。主要都市で普通に働くホワイトカラー系給与所得者、タクシー運転手や露店商売等の自営業者、水商売系の若者たちなど、いわゆる市内で昼夜よく見かける中間層クラス(とはいえ準富裕層には間違いないが)が、普通に“スマホ”を片手に道行く姿は今やすっかり定着した日常風景となっている。