米アップルの時価総額がマイクロソフトを上回ったという話題で持ち切りだ。5月26日のアップルの株価は終値ベースで前日比0.4%安の244.11ドル。マイクロソフトの株価は4%安と大きく下落し、25.01ドルとなった。
これによりアップルの時価総額は約2221億ドル(約20兆円)、マイクロソフトは約2192億ドルとなった。アップルは、米エクソンモービルに次ぐ全米2位、IT業界では首位に躍り出た。
米ニューヨーク・タイムズが「一つの時代の終わりと新たな時代の幕開け」と報じるなど、ここ最近のアップルの急伸ぶりを象徴する出来事である。
MS、不振の消費者部門を立て直し
マイクロソフトは前日の25日、組織再編を発表していた。スマートフォン向けOS「ウィンドウズフォーン7」などのモバイル事業をスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)の直属とし、同社で携帯電話やゲーム事業を率いてきたロビー・バック氏が退職することなどを明らかにした。
これについて米ウォールストリート・ジャーナルなどのメディアは、「バック氏の退任は、携帯電話を中心とした消費者市場における同社の不調に懸念が高まっていることを示すものだ」と報じ、不安を投げかけていた。
アップル、急成長するスマートフォン市場を謳歌
その一方で、アップルは消費者部門が絶好調だ。同社のスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」や音楽プレーヤー「アイポッド(iPod)」、音楽コンテンツを合わせた売り上げは総売上の6割超を占めている。
アップルはパソコンの会社ではあるが、同社の技術から生み出される製品は消費者向けモバイル機器が主流というわけだ。
米ガートナーの調査によれば、マイクロソフトのスマートフォン基本ソフト(OS)のシェアはわずか7%。これに対し、アップルのシェアは15%、米グーグルは10%だ。
市場はフィンランドのノキアとカナダRIM(リサーチ・イン・モーション)が席巻しているものの、アップルとグーグルのシェアは急速に拡大している。