マット安川 「日本は現行の憲法9条を見直し、国力をつけて諸外国に対応せねばならぬ」と、今回のゲストである憲法学者・小林節さん。増税より先に日本がやるべき急務についてお聞きしました。

日本は憲法を改正して、強い国になれ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:小林節/前田せいめい撮影小林 節(こばやし・せつ)氏
憲法学者、慶應義塾大学教授、弁護士。日本海新聞・大阪日日新聞客員論説委員。『憲法守って国滅ぶ』、『そろそろ憲法を変えてみようか』(共著)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

小林 韓国の李明博大統領が竹島に上陸しましたが、日本の対応は本当にだらしないと思います。

 竹島は、江戸時代から当時の鳥取藩が代官所を置いて林業や漁業で使っていたわけです。それを第2次世界大戦で日本が負けて、軍事的な空白ができた時に、李承晩というウルトラナショナリスト大統領が軍事占領したんです。

 土地というのは国際法的には、最初に誰も所有していない土地を合法的に平和裏に管理した国のものなんです。日本は竹島を放棄も譲渡もしていません。

 李明博大統領は今回、国内的に自分が厳しい立場にあるから上陸した。我われの顔に泥を塗ったんですから、その手をはたかなければいけない。それがスジですよ。中国との尖閣諸島や、ロシアとの北方領土の問題も同じです。

 ただ、日本にはいま軍事的に反撃する国内法がない。だから憲法改正が必要なんです。世界で常識の憲法を持てば、経済大国にふさわしい軍事大国として、侵さないけど侵されないよという自己主張ができる。そうでなければ、鼻であしらわれておしまいです。

 この国が強い男らしい、あるいは親父らしい国でないから、子ども、つまり国民が犠牲になっているんですね。憲法を改正して強い国になれば、北朝鮮の拉致被害者も取り返せるんです。

 実際、改憲論議については世の中は変わりました。私はいま63歳ですが、29歳でアメリカから帰ってきて、30歳からチャンスがあれば発言してきた。自由に発言できるようになったのは40歳で教授になってからです。