ロンドンオリンピックが8月13日閉幕した。日本選手団は史上最多となる38個のメダルを獲得、その健闘は称えられよう。とはいえ、米国の3分の1にすぎないわけだが、人口が多ければ多いほど、メダル数は増えて当然とも言える。

人口当たりのメダル数、米国は49位、日本は50位

19歳のジェームスが男子400mで金メダル獲得

ロンドン五輪・男子400メートルの金メダリストになったキラニ・ジェームズ選手〔AFPBB News

 そこで、メダル1個当たりの人口でその効率を評価したランキングを見てみると、米国は49位、日本は50位と全く互角となる。しかし両国とも随分と順位は下がってしまう。

 それならば、上位にいるのはどこかと言えば、概して小国ということになり、中でも、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、バハマなどカリブ海の島国の健闘が目立つ。

 これは今大会に限ったことではなく、近年の傾向でもあるようだ。

 そして、今回、堂々1位となったのもカリブの小国グレナダだった。もっとも、獲得したメダルは男子400メートルのキラニ・ジェームズ選手による「金」ただ1つ。人口がわずか11万人あまりと少ないことから、結果的にトップとなったと言えるのかもしれない。

 しかし、このメダル獲得はグレナダ建国以来初という重みのあるもので、その快挙を記念して8月7日午後は半休日にしたという。

東カリブ海で最も美しいウォーターフロント

グレナダの首都、セントジョージズ

 そんな小国の首都セントジョージズは、東カリブ一美しいウォーターフロントと言われる、こぢんまりとしたところ。

 私が訪れた時は、2004年のハリケーン・アイヴァンによる被害跡が痛々しかったが、それでも、機能的なハーバー、急坂に立ち並ぶ19世紀の建物、それを取り囲む緑、といった魅力は健在だった。

 スペイン南部コスタ・デル・ソルの都市グラナダと混同されるほど存在感の薄い西半球最小のこの国だが、これまでただ1度だけ、メディアを賑わしたことがあった。

 その情報発信源となったのは米国ホワイトハウス。1983年10月、ロナルド・レーガン大統領が『ダーティハリー4』(1983)の中でクリント・イーストウッド演じるハリー刑事が発する「Go ahead, Make my day(「やるならやってみろ、そしたら十分楽しませてもらうぜ」といった意味)」という刺激的フレーズを使って、挑発するように米国のグレナダ侵攻を発表した時である。