離婚するのには、両者の合意が必要です。自分だけが一方的に離婚したいと言っても離婚できません。恋愛関係とは違うのです。

トム・クルーズとケイティ・ホームズ、離婚協議で和解

突然の離婚を発表したトム・クルーズとケイティ・ホームズ〔AFPBB News

 中期保有や短期保有の恋愛なら、一方が「もう付き合いたくない!」と言えば、男女の関係は終わりますが、長期保有関係の結婚という制度ではそういうわけにはいきません。

 両者の合意が不可欠です。婚姻届の書面にサインして結婚したわけですから、同じように離婚届の書面にサインして離婚しなければならないのです。

 無理矢理サインさせることができない以上、それなりの手続きが必要になってきます。その「それなりの手続き」というものが実にやっかいなのです。離婚手続きは以下のようになっています。

1. 第1段階 離婚協議

 通常、離婚を口にするのはケンカしたときです。激情すると「おまえなんかとは離婚だ~」とか、「絶対に離婚してやる~」とか叫ぶわけですね。

 ケンカして相手が「こっちもそのつもりだ」と言い返しても、自動的に離婚とはなりません。そこが離婚の最も難しい点なのです。契約書にサインするのが最終的な手続きなのですが、その前にたくさんやることがあるからです。

 まずは冷静になったときの話し合いです。ケンカの勢いで離婚の話はできないので冷静になったときにするものです。この段階で「離婚すると損をする!」と思う方が、離婚を渋り始めます。

 本当は相手のことが大嫌いでも、「ケンカしたからって、離婚にはならないよ」とか「離婚と言ったのは言葉のアヤよ」とか言い始めます。場合によっては「まだ好きだから」とか言ったりすることがあります。

 嫌いでも基本的には「離婚すると損するから嫌だ」というメッセージです。両者がうまい具合にバランス良く、「幸せになるために離婚」できるという状況になれば問題ありませんが、それがなかなかできないものなのです。

 とは言っても、次の段階に行くには、弁護士を雇うことが必要になりますので、金銭的な負担を考えると、この段階で離婚に合意しておく方が、2人のためです。

 特に子供がいない夫婦の場合には、親権をどちらにするとか養育費をいくらにするとかいった問題がないので、財産分与をスムーズに折半できれば離婚には、それほどの時間と労力はいりません。