福島1区の前衆議院議員・亀岡よしたみ氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。
マスメディアでは報じられない被災地の現状を伝える亀岡氏のリポートを中心に、中山氏が、軍事面・科学技術面で活発な動きを見せる中国の動向などを解説した。
一時帰宅後、首つり自殺したスーパーの経営者
中山 東日本大震災発生から早1年以上が経ちますが、被災地の現状はいかがですか。
亀岡 復興に向けてだいぶ進んでいるように思われていますけれど、実際は全く逆なんです。
福島では、原発事故で設定されていた避難区域が解除されたことで、皮肉にも生きる希望をなくす方が増えてしまったのが現状なんです。
中山 先日、亀岡さんとたまたま東京でお会いした時に聞いて非常に驚いたのですが、亀岡さんの地元である福島では1週間に1人ものペースで自殺が起きているというのは本当ですか。
亀岡 先週も南相馬市で自殺者が出ましたし、もう毎週1人が亡くなっているような状況です。
浪江町ではこんなことがありました。スーパーを経営する夫婦が一時帰宅した際、ご主人が途中で姿を消したそうです。慌てて奥さんが通報し、捜索したところ倉庫で首をつって亡くなっているのが消防団員に発見された。
背景を説明すると、一時帰宅してその方が経営するスーパーに帰ると、冷蔵庫や商品棚に腐った食品がこびり付いており、サビが酷くて使用できる状態ではなかった。自宅はカビだらけでとても住める状態じゃない。しかし、震災前に設備投資した借金だけは通帳から引き落とされていく・・・。
その現実を目の当たりにしたご主人は、「月10万円支給される見舞金だけでは生活できない。再建も無理だ」と悲観してしまった。それが原因で思い詰めたのかどうかは定かではありませんが、結果として自殺に至ってしまいました。
避難区域の解除はありがたいことですが、無理やり避難させて立ち入り禁止にしておきながら、ある日突然帰宅を許可されて帰された方々の気持ちを政府は分かっていないと思います。
中山 そんな状況にあるというニュースを被災地から離れた私たちが目にすることはほとんどありません。本当にショックです。そんな中、平野(達男)復興相が山形を訪れ、避難生活を続ける住民と意見交換を行ったと報じられましたが、どう思いますか。
亀岡 自宅に帰れない苦しみを抱える方、ようやく帰宅して酷い状況を見てしまった方の心は、誰にも救いようがないんです。
だからせめてインフラ整備事業を進め、住環境を整えた上で帰宅許可を出すのが最低限の責任だと思います。平野復興相は真面目に一生懸命やってくれる方かもしれませんが、本当に今やるべきことをきっちりやってほしい。でなければ皆、明日からの希望が見えませんよ。