欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会(EC)は5月19日、半導体業界による国際的なカルテル事件で、日本企業を含む9社が総額約3億3100万ユーロ(約376億円)の制裁金を支払うことで和解したと発表した。

サムスン電子、2種類のメモリを統合した「Flex-OneNAND」開発 - 韓国

サムスン電子の半導体〔AFPBB News

 日立製作所やNECなど日本企業5社と、韓国サムスン電子、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズなど合計9社が制裁金を支払う。

 制裁金はサムスン電子の1億4573万ユーロが最も大きく、インフィニオンの5670万ユーロ、韓国ハイニックス半導体の5147万ユーロと続いている。

 日本企業では、日立が2041万ユーロ、東芝が1764万ユーロ、三菱電機が1661万ユーロ、NECが1030万ユーロ。またエルピーダメモリ、NEC、日立の3社が連帯して850万ユーロを支払うよう命じられたほか、エルピーダメモリの前身である旧NEC日立メモリへの制裁金として、NECと日立に212万ユーロが科された。

 欧州委員会の説明によると、各社は欧州経済圏のパソコン/サーバーOEM(相手先ブランドによる生産)企業に販売したメモリー(DRAM)の価格を巡ってカルテルを結んだ。

 その時期は1998年7月1日から2002年6月15日の間。関係者ネットワークを介して秘密情報を共有し、DRAMの価格水準や見積額を調整したという。

マイクロンは情報提供で協力し、制裁金を免除

 興味深いのは、このカルテルに参加したのは合計10社ということ。つまり1社だけが制裁金を科されていないのだ。1社とは米国の半導体メーカー、マイクロン・テクノロジーで、同社は真っ先に欧州委に情報提供して協力したため免除されたと欧州委は説明している。