今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、スタジオゲストに淡路市長の門康彦氏を招き、世界的観光立島を目指す淡路島の取り組みについて語ってもらった。

淡路島を共和国に――「あわじ環境未来島構想」

中山 今夜はスタジオに淡路市の門康彦市長をお招きし、お話を伺っていきます。まずは、淡路市長を2期にわたり務めている門市長が、今最も注力したい政策は何ですか。

神戸市垂水区東舞子町と淡路市岩屋を結ぶ明石海峡大橋(ウィキペディアより)

 私は、以前からずっと明石海峡大橋の無料化を訴えてきました。あれは国道ですから、生活道路として無料であるべきだというのが私の持論です。法律にもそう書いてあります。

 明石海峡大橋の架橋によって、島民は便利さを手に入れました。しかし一方で、船員の雇用が消滅し、島であるが故に存在していた船着場などの生活基盤は壊滅状態に陥った。

 であるならば、我々は架橋によって手にした便利さを何としても生かさなければならない。そう考えた時に、今の料金では高すぎるんです。

 平成26(2014)年度からは値下げされますが、やはり本来、生活道路の国道は無料であるべきでしょう。

中山 今、大阪をはじめ地方分権を訴える政治集団の動向が注目されていますが、地方分権の観点から門市長は淡路島の未来をどう見据えていますか。

 兵庫県と淡路島3市の共同で国に提出した総合特区提案が、「あわじ環境未来島特区」として正式に指定されました。

 その引き金となったのは、明石海峡大橋の無料化運動を行ったことです。先にも述べたように、明石海峡大橋の架橋によって利便性は向上しましたが、結果として淡路島では過疎化・少子高齢化が進んでいます。

 そのために出したのが、淡路島が独立していくという「共和国」宣言です。どういうことかと言うと、淡路島の洲本市、淡路市、南あわじ市を統合する。大げさに言えば淡路島を1つにして、世界遺産を目指す観光地にしたいと考えています。

 橋ができたことで物理的には地続きになったわけですが、やはり島は島ですから、景色の美しさ、静けさ、人情など素晴らしいものが多々あります。しかも京阪神に近いという立地の良さを生かしていきたいと思います。