北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射失敗については、各国でさまざまな評価がある。今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、中山氏が北朝鮮の世襲共産主義とミサイル発射失敗について独自の視点で解説した。
北朝鮮が他に類をみない世襲共産主義国家になった理由
中山 北朝鮮の金正恩第1書記が4月15日、故・金日成主席の生誕100年を祝う朝鮮人民軍の軍事パレードで約20分演説し、軍事優先の路線を継承すると強調しました。
正恩氏が国民に肉声を披露したのは初めてのこと。演説では「敵が原子爆弾によってわが方を威嚇、恐喝していた時代は永遠に過ぎ去った。今日の武力示威が、それをはっきりと立証するだろう」と述べたそうです。
正恩氏は故・金日成主席、故・金正日総書記が推進した核・ミサイル開発などを通じ、北朝鮮は軍事強国になったと強調。ミサイル発射失敗で失った威信の回復をアピールしたと報道では伝えられています。
北朝鮮は金日成氏、金正日氏、そして3代目の金正恩氏へと世襲を行いました。本来、共産主義では世襲が認められていませんが、北朝鮮だけは特別です。
金日成氏の時代、北朝鮮は旧ソ連と親密な関係でした。その時、共産主義を朝鮮半島に根付かせるには世襲共産主義にしなければならないと主張したのです。
「朝鮮半島には民族的に儒教精神が宿っている。だから、儒教の精神に則って共産主義を伝播させる必要がある」と。そうやって、旧ソ連の許しを得るかたちで金正日氏に権力を継承した、世界でも類を見ない世襲共産主義国家なんです。
ミサイル発射失敗は計算ずく?
北朝鮮のミサイル発射は、日本のみならず中国や韓国のメディアの社説等でも取り上げられ、翻訳記事が配信されています。レコードチャイナ(Record China)というメディアには「北朝鮮ミサイル発射失敗に6つの疑問」という記事がありました。