北朝鮮が衛星と称して4月12~16日に打ち上げを予告しているミサイルに対し、日本ではイージス艦や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などの配備が進んでいる。
今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、中山氏が日本のミサイル防衛体制や朝鮮半島の北緯38度線以北をめぐる米中の狙いについて解説したほか、選挙制度の改革を提言した。
“衛星”発射に関する質問に「もしもし」答弁の田中防衛相・・・
中山 北朝鮮が衛星を打ち上げるとして、平安北道鉄山郡にある東倉里(トンチャンリ)の西海衛星発射場で進めているミサイル本体の設置が完了したことが明らかになりました。韓国の情報関係筋によると、液体燃料の注入に数日かかり、早ければ12日から発射可能とのことです。
また、北朝鮮が過去2回核実験を行った咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ)では、新たな地下坑道の採掘工事が進められており、現在最終段階にある模様。ミサイル発射後、米国の出方次第では3度目の核実験を強行する可能性を示唆した動きと見られています。
これに備えて我が国でも、海上自衛隊のイージス艦や地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」が配備されました。渡辺(周)副防衛相が「命中率は8割超と確信している」と述べましたが、私も最善策であると思います。
それにしても、参院予算委員会の質疑で、“衛星”に関する自民党・佐藤正久議員の質問を受けて「あ~もしもし・・・」と答弁した田中(直紀)防衛相より、よほど渡辺副大臣の方が大臣らしい。
北朝鮮では初代国家主席の金日成氏から金正日氏へ、そして金正恩氏へと権力が継承され、3代目の正恩氏が内外に覇権を示すためにミサイル発射や核実験を目論んでいる。今後の動きにしっかり着目したいと思います。
また、イランなどの核保有国では、真っ直ぐではなくジグザグに飛ぶミサイルを造っています。その軌道を計算・予測して対抗する迎撃ミサイルを開発している国も存在する。日本も、こうした新たな軍事技術を取り入れる必要があるでしょう。
北朝鮮に有利な外交を展開する中国の狙いとは
玄葉(光一郎)外相と中国の楊潔篪外相、韓国の金星煥外交通商相が8日、中国浙江省寧波で会談し、北朝鮮が予告するミサイル発射に関して自制を求める努力を行うことで一致しました。
会談後の共同記者発表で、玄葉外相は「ミサイル発射を強行すれば、明確な国連安全保障理事会決議違反だ。対話の流れにも逆行する」と強い懸念を表明。金外相も「北の義務違反行為に対して国際社会の厳しい対応が必要だ」と、新決議など制裁強化を求める姿勢を示しました。