マット安川 今回のゲストは、初登場となるみんなの党参議・松田公太さん。既存政党との戦いや党が掲げる「アジェンダ」について、これからの日本の進むべき道をお話しいただきました。

企業流出、産業空洞化に拍車をかける日本の無策

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:松田公太/前田せいめい撮影松田 公太(まつだ・こうた)氏
参議院議員(みんなの党)、2010年参議院選挙で初当選。タリーズコーヒージャパン創業者、NPO法人「TABLE FOR TWO International」理事。著書に『すべては一杯のコーヒーから』『仕事は5年でやめなさい。』『チャンスをつかむ人、ピンチをつかむ人』がある(撮影:前田せいめい、以下同)

松田 私は民間でタリーズコーヒーという会社を創業し、起業家としてやってきました。もともと政治家になろうとは思っておらず、経営者として日本がもっと元気になれるようなことをやりたいと考えていました。

 いまの日本の最大の課題は、経済の再生だと私は考えています。ただ、それにはまず政治が機能しないと経済も絶対によくならない。

 そういう中でたまたま、みんなの党の浅尾慶一郎政調会長、渡辺喜美代表と話をしまして、この政党ならば日本の政治の仕組み、システムを変えてくれるんじゃないかなと思い、また私の経営者としての経験が国会でも生かせるのではないかと考え政治家になりました。

 タリーズコーヒーを経営していた時のことですが、ある日突然、シンガポール政府の方々が会社にいらっしゃったことがあります。

 理由は分からないまま、とりあえず話を聞くことにしました。開口一番に言われたのは、本社をシンガポールに移してくれないかということでした。もしお越しいただけるのであれば、法人税を下げるというんです。

 当時は確か18%か19%だったと思いますが、最初の10年間は優遇措置で10%にすると。これには非常に驚きました。

 政府高官が突然いらして、営業マンみたいな話をするわけです。スゴイなと思いましたね。ほかの国々は必死になって自国に少しでも企業を引き込みたいと努力している。どれだけしのぎを削っているかということを痛感しました。

 そこで、日本はどうだろうと思って調べたところ、そういう動きはまったくありませんでした。それどころか、法人税も世界的に見てトップクラスに高く、むしろ来なくてもいいよというくらいのスタンスではないかと感じます。

 これではどんどん日本から企業は出ていってしまうし、海外からもいい会社に来てもらえません。

 政治家も官僚も、ベンチャー企業を立ち上げるとか、中小企業を大きくしたというような経験、経営という生き馬の目を抜くような世界で経験を積んでこないと、民間の世界がどれだけ厳しいかが分からないんじゃないかなと思います。