5月6日の米国株式市場でダウ工業株30種平均が一時1000ドル近く急落した問題で、複数の米メディアがその原因究明に関するニュースを報じている。
6日午後、普段は安定した値動きの米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の株価が突如として大幅安となった。P&Gはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているが、ほかの電子取引システムによって極端に低い値がついたと報じられている。
原因はいまだに不明
原因については、誤発注が発端になったとも、取引システムの故障とも言われているが、今のところ真相は分からない。ただ今回の問題で、ニューヨーク証券取引所などに導入されている超高速電子取引システムへの懸念が広がっている。
米ニューヨーク・タイムズの記事によると、ニューヨーク証券取引所には、株価が急激な値動きをした際にコンピューターの取引システムから手作業の取引に切り替える「スローモード」というルールがある。6日はこれが発動された。
これにより、売り注文と買い注文のマッチング作業はフロアにいるトレーダーによって行われるため、理論上は取引のスピードがゆっくりになるはずだった。しかし、記事によるとそうならなかった。
システムからの売り注文は出続け、それに対する買い注文が追いつかなくなった。その直後にほかの取引所のシステムからの取引が遮断され、その後15分間にわたって多くの銘柄が急落した。