福島1区の前衆議院議員・亀岡よしたみ氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 福島市を中心に復興活動に取り組む亀岡氏が、政府と被災地、若者と年配者などのギャップや、今後の復興に向けた課題について語った。

野田総理の収束宣言時、現場で起こっていたのは

福島第1原発、廃炉まで40年

政府は廃炉まで最長40年とする中長期工程表を発表した〔AFPBB News

中山 寒さが厳しい季節となりましたが、被災地の現状はいかがですか?

亀岡 昨年の暮れに、野田(佳彦)総理は東京電力福島第一原発事故収束に向けた工程表「ステップ2(冷温停止状態達成)」の終了を受け、事故の収束宣言をしました。

 実はあの時、原発内ではノロウイルスの流行によって多くの作業員が入院し、急遽作業員を募集するという大変な時期だったんです。だから「辛く大変な思いをしている時にあんな宣言をされたらかなわない」と、福島の人々は皆あきれ返っていました。

 政府はあまりに無責任です。例えば、自衛隊や国土交通省を総動員して山の上から全部除染していれば、今頃は放射線量が下がって子どもたちも安心して住める環境になっていたはず。

 政府は何もせずに「市町村で責任を持ってやれ、金は出すから」という言い方ばかりしますが、素人の市町村にできるわけがないですよ。国家として取り組まないというのは、最低なことだと私は思いますね。

中山 福島県の農作物は原発事故による風評被害を受けましたが、実際のところ食の安全状況はいかがですか?

亀岡 野菜はほとんど大丈夫ですが、一番困っているのはお米です。米のベクレル数が高く、出荷停止の状況です。

 加えて、山際の田んぼからはセシウムが出たことで作付けも制限され、農業そのものができなくなる可能性が高い。農家の方々は今、路頭に迷ってしまっています。

設置されているのに計測が始まらない線量センサー

中山 震災後、亀岡さんはチェルノブイリを2回訪れていますが、その経験から日本が学ぶべき教訓は何ですか?

亀岡 チェルノブイリでは、国が責任を持って全国民の健康診断を行い、医療にあたっています。 日本のように「勝手にやれ」というのではなく、ホールボディカウンターやフードセンサーを用いてしっかり国が国民の安心・安全を守っているわけです。

 震災から約1年が経つのに、日本でそうした対策がなされていないのはおかしな話です。