先週、米マイクロソフトのマウスやウェブカメラなどを製造している中国工場の10代の工員が過酷な労働条件で働らかされていると米国のNGO団体が告発したが、19日、工場に就労法違反の事実があったことを現地の労働局が認めたことが明らかになった。

 ことの発端は米国のNGO団体である全米労働委員会(National Labor Committee:NLC)が公表した調査報告書(PDF)。同委員会はこの中で、台湾KYEシステムズ傘下の2つの企業が中国広東省東莞市に置いている工場で、16~17歳の “勤労学生” が1日15時間、週6~7日働かされていると報告した。彼らの時給は65セントで、食事代を差し引くと52セントしか残らないという。

企業の独自調査には不備がある

 自由行動は抑えられ、勤務時間内は話すことも、トイレに行くことも禁じられている。ミスを犯した場合は、製造ラインから外され、同僚の前で床やトイレを掃除するよう命じられる。このような屈辱的な行為が毎日行われていると報告している。

 このほか、現場の主任の指示に従わなかった場合は7.02ドル(11時間分)の賃金を差し引かれ、1日休むと29.26ドル(5日半以上)差し引かれる。タイムカードを紛失した場合は14.67ドル(3日分)を差し引かれるという。

マイクロソフトへのEU独禁法違反判決に米業界が一斉反発

マイクロソフト、独立した監査チームを中国工場に派遣〔AFPBB News

 調査報告書では、秘密裏に撮影したという狭い寮の写真や、疲労のためか作業台に顔を伏せて寝ている工員の写真が掲載されている。

 この報告を受けてマイクロソフトは先週(15日)、監査チームを同工場に送り、詳細を調査すると発表した。また同社は、工場を毎年訪問し、KYEシステムズから労働状況の報告を受けていたとも説明した。