今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、民主党所属の前参議院議員、田村耕太郎氏を電話ゲストに迎えた。各国トップの交代が予測される来年以降の世界情勢や、日本の内政の課題について語った内容をお伝えする。
欧州危機は中国にとって外交修復のチャンス
中山 今年の特に後半は、世界的に経済動向が懸念される状況ですが、証券フィールドで長く活躍されてきた田村さんは、この激変の時代をどう見ていますか?
田村 欧州の先行きが懸念されるほか、マイナス成長に転じたブラジルや中国でも今後色々なことが起こると予想されます。
また 2012年は、アメリカ、フランス、ロシア、中国、韓国、台湾で政権トップの選挙・新人事が行われ、北朝鮮と日本でも政権交代の可能性があります。欧州も中国も不安定な状況の中で6カ国協議加盟国のリーダーが一斉に代わるかもしれないのですから、来年は要注意ですね。
中山 特にどの国を注視していますか?
田村 中国では何が起きてもおかしくないと思います。民衆の意識改革が進む中、「アラブの春」を恐れた中国ではブログやツイッターに書き込んだだけで逮捕できるように法改正しました。政権交代を控え神経質になっているのが分かります。
また、中国の外交は威張りすぎたために世界中で評判を落としています。反省もしているでしょうが、国内がこれほど不安定では外国への強硬姿勢を崩すことはできません。それによりさらに外交の評判を落としかねず、アメリカともぎくしゃくする。
しかし、逆に彼らは欧州の危機を上手く利用するとも考えられます。今、欧州を救える資金を持っているのは中国だけですし、実際ドイツも中国にすり寄る姿勢を見せています。
中国はタダでお金を出すのではなく、欧州に中国への武器輸出を再開させたり、欧州の衛星測位システム「ガリレオ」の技術開発に参画したりと、この機会を利用する可能性がありますね。中国が欧州に肩入れすると、欧州とアメリカのバランスはもちろん、世界の構図が大きく変わるでしょう。
中国に嫌気が差したアジア諸国は、日本に期待している
中山 JBpressが『中国から外貨が流出し始めた』という記事で取り上げているように、今、中国景気の先行き不安が強まっていますね。
田村 今、中国からものすごい勢いで人材や資産が逃げ出しています。中国人が一番信用していないのは中国政府です。日本と中国のどちらの政府が良いか聞かれて、日本政府と答える人も多いですからね。