米マイクロソフトが独自の携帯電話を市場投入すると、米ウォールストリート・ジャーナルが報じて話題を呼んでいる。同紙によると、端末はコード名「ピンク」というプロジェクトのもと開発され、この4月末にも米国市場に投入されるという。

マイクロソフト、新型携帯電話を近く発表へ 製造はシャープ
米ベライゾンがオールテル買収、AT&T抜いて全米首位に

マイクロソフト(上)と販売を行うベライゾン・ワイヤレス(下)〔AFPBB News

 端末を製造するのはシャープ。通信事業者は、米ベライゾン・コミュニケーションズと英ボーダフォンの合弁企業で、米携帯キャリア1位のベライゾン・ワイヤレスとのことだ。

 記事によれば、マイクロソフトはこの “ピンク端末” のソフトウエア、オンラインサービス、ハードウエアの設計を手がけたという。しかしマイクロソフトは、モバイル端末向けの基本ソフト(OS)をメーカーに供給するソフトウエアベンダーで、同社のビジネスモデルとは異なる。これはどういうことなのだろうか。

 例えば米アップルは自社OSを搭載した自社ブランドの端末「アイフォーン(iPhone)」を売る企業だ。米グーグルは同社が開発を進める「アンドロイドOS(Android OS)」を端末メーカーに提供し、同時に自社ブランドの台湾メーカー製端末「ネクサスワン(Nexus One)」を自ら販売している。

 マイクロソフトのビジネスモデルはアップルやグーグルとは異なるが、今後はこの2社のような戦略を取るというのだろうか。

マイクロソフトには携帯端末の事業があった

 ウォールストリート・ジャーナルは、マイクロソフトは同社が買収した米デインジャーの手法を取ると報じている。

 デインジャーは「ヒップトップ」や「サイドキック」といった若者向けの端末とそのサービスを提供していた会社。当初は携帯電話とPDA(携帯情報端末)を組み合わせた、スマートフォンの前身のような端末を提供していた。

 シャープなどと共同開発した端末で、電子メールやウェブ、メッセージングサービス、スケジュール、アドレス帳などのサービスを提供していたが、2008年にマイクロソフトが買収した。

 マイクロソフトはこの事業を引き継ぎ、今でも最新端末を提供している。米国ではドイツテレコム子会社の米国法人、TモバイルUSAが販売を行っている。今回マイクロソフトは、このデインジャーのビジネスをモデルにして新製品を投入すると記事は伝えている。

 記事では、このピンク端末はウィンドウズ・フォーンとは異なる技術を採用しており、アプリケーションもウィンドウズとは互換性がないと報じている。これはOSが異なるということなのだろう。