23日のNY市場、リスク回避の雰囲気が強まりユーロは売りが加速した。ロンドン時間にドイツが実施した10年物国債入札が予定額に達せず札割れとなったことで、欧州債務危機への懸念が強まっている。ユーロは売りが強まったが、NY時間もその流れを引き継いだ。NY株式市場でダウ平均が200ドル超下落する中、景気に対する懸念も強まり、資源国通貨も売りが強まっている。
ユーロのショートポジションの積み上がりに対する警戒もあり、前日まではショートカバーから底堅さも見えていたが、流石にきょうのドイツ国債入札の札割れはショッキングだったようで、再び下向きの流れが強まりつつある。
ユーロドルは一時1.3320近辺まで下落し10月上旬以来の安値に落ち込み、ボリンジャーバンド(21日・2標準偏差)下限が控える1.32台半ばを視野に入れる動きとなっている。ユーロ円も103円割れを試す動きが見られた。
一方、ドル円は想定的なドル買いから、一時77円台半ばまで上昇。しかし、77円台半ばには日本の輸出企業の売りオーダーも厚くあるようで、簡単には抜けそうにはないようだ。消去法的なドル買いでの上昇も限界がありそうだ。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)