米国で初めてクーポンを使ったマーケティングを行ったのは、コカ・コーラ社だそうだ。1887年、営業マンや社員を通じて無料券の配布を開始した。1894年から1913年の間にクーポンと交換されたコーラは850万杯で、アメリカ人の9人に1人が無料で飲んだ計算になる。コーラの味が米国民に定着したのはクーポン効果と言っても過言ではない。
クーポンは今も私たちの購買意欲をかきたてる魔力を持っている。だから、スーパーのチラシにもついているし、買い物したレシートの裏面にも印刷されている。インターネットのショッピングサイトで購入時に入力すると安くなるプロモーションコードが盛んに配布されているし、携帯画面で提示するタイプのものもある。
見知らぬ者同士がネット上で共同購入
そんな中、シカゴから新しいクーポンビジネス「グルーポン」が誕生した。グルーポンは、お得なクーポン情報を毎日送ってくれるサイトだ。
1.メールアドレスを登録する(無料)
2.毎朝、1日限定のお買い得情報が送られてくる
3.深夜までにグルーポンのサイトで申し込む
4.翌日グルーポンからリンクが送られてくる
5.リンク先のサイトでクーポンを印刷して使う
たったこれだけなのだが、その仕組みはユーザーにとっても提供者にとっても、従来と異なる斬新なものだ。
まず、送られてくるのは、登録した都市のローカルビジネスの商品やサービスに限定されている。
例えば3月のサンフランシスコのグルーポンでは、「20ドル分のピザを10ドルで。Patxi's Chicago Pizza(パクシーズ・シカゴ・ピザ)。ディスカウント率50%」というのがあった。気の利いたレストランやバーはもちろん、カイロプラクティック、鯨ウォッチングツアー、歯のクリーニング、エステ、屋内スカイダイビング体験、料理教室、博物館の年間パスなど、バラエティーに富んだお買い得情報が毎日あれやこれやと送られてくる。ディスカウント率は、40~90%と大きい。