赤ちゃんと一緒に友人の家に遊びに行ったり、旅行を楽しみたい――。そんな時に重宝な、段ボール製の「食事用ベビーチェア」がオーストラリアに登場した。軽くて持ち運びに便利、短時間で簡単に組み立てができる。使わない時はコンパクトに折り畳めるので保管にも場所を取らない。不要になったらリサイクルもできる──といいことずくめ。

 孫の訪問を楽しみにしているおじいちゃんやおばあちゃん、赤ちゃん連れの客を迎える家庭でも気軽に使えると、幅広い利用者から支持を集めている。

紙製でも、体重20キロまで対応

旅行や外出先で赤ちゃんに食事を与えるのに重宝な Belkiz Feedaway。親も落ち着いて食事をする時間を持つことができる
(写真:Belkiz社提供)

 食事用ベビーチェア「ベルキッツ・フィード・アウェイ」(以下、フィード・アウェイ)を開発したのは、オーストラリア・メルボルンに本拠を置くべルキッツ社。同市在住デザイナーのベトゥル・マダクバスさんと従業員1人の小所帯で、2009年12月から販売を開始した。

 価格は、専用ボックス入りで39.95豪ドル(約3300円)。対象は生後6~20カ月、体重は6~20キロまでの赤ちゃん。

 高さ63センチ、幅60センチ、奥行き60センチ。無駄を最小限に抑えるため、1枚の段ボールから全ての組み立て部品を裁断しているので、一般的な木製のベビーチェアよりもやや低めのサイズだが、外出先などでの一時利用としては十分だ。

 折り畳めば、高さ6センチ、幅67.5センチ、長さ62センチとコンパクトサイズで、重さはわずか1キロほど。専用ボックスに入れても2キロなので、女性でも軽々と持ち運べる。車の後部座席にひょいと乗せることもできる。

 最初は組み立てに15分くらい掛かるが、慣れればもっと短い時間で済む。腰と股の部分を固定する3点式シートベルト付きなので、赤ちゃんがずり落ちる心配もない。

 大きなチューリップが力強く伸びる様がプリントされている。色は白地に赤と青、無彩色の段ボール地に赤と白の計4種類。企業がプロモーションに使う場合には、ロゴや広告をいすの側面にプリントすることも可能だ。ちなみに、チューリップはベトゥルさんの母国オランダをイメージする花。社名・商品名の「ベルキッツ」は、ベトゥルさんの姉の名前で、トルコ語で「美しい女の子」の意味。

 段ボールの表面には無毒性の食品用コーティングを施してあるので、食べこぼしなどの汚れを濡れふきんでふき取っても強度に支障はない。