2月26日に総務省が発表した1月の全国消費者物価指数(全国CPI)は、「生鮮食品を除く総合」(コア)が前年同月比▲1.3%になった。11カ月連続の下落。マイナス幅は昨年9月から4カ月連続で縮小していたが、今回は前月と同じ幅になった。

 コア前年同月比の押し上げに寄与した品目は「ガソリン」「灯油」「被服及び履物」「家賃」など。押し下げに寄与した品目は「電気代」「都市ガス代」などである。

 また、国際商品市況に振り回されやすい分野を除いた「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」(いわゆる欧米型コア)の1月分は、前年同月比▲1.2%。こちらもマイナス幅は前月から変わらなかった。ただし、筆者が注目している季節調整済指数は97.9(前月比▲0.2%)で、前月に続いて過去最低水準を更新した。

 一方、2月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)は、コアが前年同月比▲1.8%になった。マイナス幅は前月から0.2%ポイント縮小。コア前年同月比の押し上げに寄与した品目は「生鮮食品を除く食料」「被服及び履物」「外国パック旅行」「教養娯楽用耐久財」など。押し下げに寄与した品目は「ガソリン」などである。

 また、欧米型コアは前年同月比▲1.3%で、マイナス幅は前月から0.1%ポイント縮小した。季節調整済指数は98.2(前月比+0.1%)。昨年12月の水準に逆戻りした形である。天候要因も寄与してある程度の振れがある「被服及び履物」(前年同月比は今回▲3.5%で、前月の▲4.0%からマイナス幅を縮小し、昨年12月の下落率に逆戻り)や、「家賃」の動きなどが寄与した結果だろう。指数の下落トレンドが変わったわけではあるまい。