クーポン共同購入サイトの米グルーポンが11月4日、米ナスダック市場に上場した。公開価格は20ドルだったが、初日はこれを40%上回る28ドルで始まり、一時56%増の31.14ドルを付け、終値は31%増の26.11ドルとなった。グルーポンは3500万株を売り出し、7億ドルを調達した。
時価総額、166億ドルに
初日の終値に基づく時価総額は約166億ドルで、これは米アドビシステムズを上回り、米ヤフーとほぼ同じ規模。
ここ最近の株式市場の低迷で、当初言われていた「200億ドル以上の企業価値」「調達額10億ドル」には届かなかった。
しかし、米IT企業としては2004年の米グーグル以来の大規模上場となり、今後同社に続いて新規株式公開(IPO)を目指すIT企業にとっては良い兆候だと報じられている。
グルーポンの本拠地は米国のシカゴで、同社がサービスを開始したのは2008年の11月。
2010年初めには米国1カ国だけだったサービス提供地域は、その後北米、欧州、アジアへと急拡大、昨年8月には日本のクーポン共同購入サイト「Q:pod(クーポッド)」を買収し、日本法人も設立した。
サービス開始からわずか3年。今や世界45カ国でサービスを展開し、約1万人の従業員を抱えるようになった同社は、米フォーブス誌に「史上最速で成長中の企業」と紹介されるなど、非常に動きの速い企業だ。
トラブル続きで懸念広がる
ところが同社の経営を巡っては、今年6月のIPO申請時に赤字体質が明らかになり、投資家の間で懸念が広がっていた。またその後同社は売上高の計上方法について米証券取引委員会(SEC)から指摘を受け、会計方法を変更している。
同社はクーポン代金の総額を売上高としてきたが、それを見直し手数料だけを売り上げに計上することにしたのだが、すると、それまで7億1340万ドルあった2010年の売上高は3億1290万ドルと当初報告の半分以下になってしまった。