感謝祭の休場を控えた26日の米国市場では、ニューヨークダウ工業株30種平均が7カ月ぶりに4日続伸。終値は8726.61ドルとなった(前日比+247.14ドル)。筆者が注目している前日比200ドル超の騰落日数カウントで、11月はこれで「6勝7敗」で、残り1日となった(ただし短縮取引)。

 一方、米10年物国債利回りは低下余地を模索する流れ。20日に続いて3%を割り込み、一時2.97%まで低下。直近最低を更新した。また、為替は対ユーロを中心にドル堅調。米FRB(連邦準備理事会)算出のドル実効レートは対主要通貨で82.8104に上昇した。

 このように株式・債券・ドルが26日米国市場では「トリプル高」となったわけだが、背景には特殊要因もある。感謝祭で長めの休暇に入る市場参加者が多いため、これまで大幅に下げてきた株式にはショートカバーの買い戻しが入りやすく、これをFRBが発表した最大8000億ドルの住宅ローン・消費者向けローン・中小企業向けローンの証券化商品買い入れを軸とする金融支援措置が後押しした。

 米債券市場では、住宅ローンおよびMBS(住宅ローン担保証券)の買い入れ措置からMBSの利回りおよび住宅ローン金利が低下して借り換えが活発になるとの見方から、運用リターン維持のため長期・超長期ゾーンの米国債を買い入れる動きが活発になったという特殊要因があり、イールドカーブのブルフラット化に拍車がかかった。

 だが筆者は、上記のような特殊要因よりも、26日に発表された数々の米経済指標が下記のように非常に弱かったことに注目している。景気・物価両方ともである。それらの中では、米国の設備投資腰折れを強く示唆した、非国防資本財受注(除く航空機)の弱い数字が、筆者としては特に印象的であった。

 米設備投資については、すでに何回かお伝えしたように、フィラデルフィア連銀製造業景況調査の内訳である、設備投資の6カ月先見通しDIの落ち込みが、同様のシグナルを発し続けている。

◆米10月の耐久財受注前月比▲6.2%
~3カ月連続減。減少幅は2006年10月以来の大きさ。除く輸送機器では同▲4.4%。設備投資の先行指標である非国防資本財受注(除く航空機)は同▲4.0%で、マイナス幅を毎月拡大しつつ、3カ月連続減。

◆米10月の個人消費前月比▲1.0%
~4カ月連続減。減少幅は米同時多発テロ事件があった2001年以来の大きさ。貯蓄率は2.4%に上昇。コアPCEデフレーターは前月比0.0%にとどまり、前年同月比は+2.1%へと0.2ポイント鈍化した。

◆米10月の新築住宅販売年率43万3000戸(前月比▲5.3%)
~2カ月ぶり減。1991年1月以来の低水準。在庫戸数の月間販売戸数比(一種の在庫率)は11.1カ月分で、高止まり継続。販売価格は平均値で前年同月比▲12.2%。中古とともに、住宅市場は悪化が続いている。

◆米11月のシカゴ購買部協会製造業景況指数33.8(前月比▲4.0ポイント)
~1982年4月以来の低水準。新規受注が27.2に落ち込むなど、内容も悪い。